[本など]中学の知識でオイラーの公式がわかる(鈴木貫太郎 光文社新書)

著者の鈴木貫太郎さんはYouTuberである。毎日、大学入試の数学の問題をホワイトボードの前でただ解いているだけの動画で、それを見て何が面白いのと思うかも知れない。
まあ、私にはそれが面白い。二年くらい前に偶然見つけた。サムネイルにでかでかと数学の問題文が載っていて、何だこりゃと思って見たのがきっかけ。最近は、もっぱら入試数学を解く動画が多いが、前は「なぜ0!=1になるのか」や「自然対数eとは何か」や「積分でなぜ面積が求まるのか」などの小話系が多くあってそれらもとても面白かった。(特に好きなのは、なぜ、マイナス×マイナスはプラスなのか? 負✕負=正 虚数(複素数)を使って説明します)

そんなこんなで、なんとその鈴木貫太郎さんが本を出してしまった。有名なオイラーの公式e^iπ=-1を中学生でも分かるように、一から順を追って解説する本である。

過去の動画で何回かに渡って、この公式の説明をしていてそれは全部視聴していた。だいたい内容は頭に入っていたが、本でも読みたいと思ってすぐに予約でポチった。

本書は、ピタゴラスの定理から始まって、サイン、コサインの説明、微積分の説明と進んでいく。最後は、虚数i、自然対数eとは何かをまとめて、本丸のe^iπ=-1まで持っていく。

私は、自然対数の説明の部分が一番勉強になった。e=2.71828010…は高校時代に習っていたが、じゃあそれって何なの?とちゃんと考えてこなかった。eは、lim n→∞(1+1/n)^nと定義されるが、それが考えられた過程を勉強できるのはとても楽しい。

中高生は、受験勉強のためにこの本を読むと全体が俯瞰できてとたもためになると思う。